特定処遇改善加算のメリットについて

従来の介護職員処遇改善加算は、非常勤や派遣社員を含めた介護職員全体の賃金底上げを図るものでした。

処遇改善加算は、現場職員の待遇改善に貢献し、離職率を低くする効果があったと言えるでしょう。ただし、現場で陣頭指揮を取るリーダー格の介護職員には、不満が生じることもありました。これに対して、特定処遇改善加算を導入すれば、介護職員間で差別化が図られ勤続年数の長い介護福祉士など、リーダー格の介護職員の給与が優遇されます。これにより、リーダー格の介護職員のモチベーションが上がり、ベテラン職員の定着化が進むことでしょう。

現場の指揮を取れるリーダー格のベテラン職員の離職を阻止できれば、新任の介護職員が雇用されてもベテラン職員が実行性のある教育を施すことができます。 また、特定処遇改善加算の受給要件を満たすためには、長期間勤務を継続しなければならないので、更に離職率も低くなることが期待されます。リーダーの指示の下で働く一般の介護職員も、介護福祉士など上級資格を取得する動機づけとなり、介護に対する姿勢が一層前向きになることでしょう。

また、介護施設としてもリーダー格の介護職員に長く勤めてもらいたいので、加算の取得に力をいれることになります。行政機関が提示する職場改善項目について積極的に改善を進めないと、処遇改善加算を取得することはできません。そこで、介護施設はキャリアアップのシステムを整備したり、職場環境の改善に取り組んだりして加算の取得に向けて尽力することでしょう。